お前が1番かわいいよ。

「俺と付き合って」


冬が終わり、夏中旬


放課後の屋上


目の前にはいかにもチャラそうなイケメンの男




暑すぎず寒すぎず、この定番の場所に、目の前のイケメン



告白を喜ぶ人には最高のシチュエーションだと思う



けど私は何回言われても、1ミリも心になんて響かない



告白をされて嬉しさも喜びも感動も何も感じない


「付き合う理由が見当たらない


第一今はじめて喋ったあんたと付き合う?


馬鹿じゃないの


ふざけるのは大概にして、クズ」




私に告白してくるやつは全員クズしかいない


「やっぱり誰とも付き合わねえのかよ。」


そう言って男は屋上を後にした


「またか。」



性格が悪いのは十分自覚している



告白してくれた人にクズって言って振るのはいけないと思う



けど、それには例外があることも忘れないでほしい
私に告白してくるやつはみんなあたしの''顔''を求めている


私と付き合って私を隣において、飾りにしたいだけ


高校生になってから誰1人あたしを好きになって告白してきた人はいない



みんな私の顔を見てかわいいって言う


もうそんなこと言われ慣れた



けど、私の性格をかわいいって言った人は誰1人いない



そんなこと別にいい



人から認められることなんて求めてない




私は告白されたら振って、性格が悪いだの腹黒いだの言われたら無視する



そうしてこれからも生きていく



男との深い関係なんて一切求めてない



この世界は全然輝いてない。
そんなつまらない人生を送っている私は西村桃花(ニシムラモモカ)


高校2年生になったばかり


目がぱっちり二重に高めの鼻、ふっくらした唇は母譲りのもの


もともと色素の薄いロングヘアに、両耳に1つずつハートのピアス



そう、見た目はゆるそうなのに、性格はこんな私。



見た目と性格は真反対



そんなことは言われ慣れた



彼氏なんていらない



男なんて信じたくもない



私は屋上の扉を開け、教室に戻った
「桃ちゃん!おかえり」


私の唯一の友達、桐沢愛菜(キリサワアイナ)が私の元へと走ってきた



「うん、またくだらない話だった」



「桃ちゃんモテるからね!


かわいいもん!」



愛菜の方がかわいいと思う


愛菜はあたしと真逆で明るくて純粋で素直な子



高校1年生で同じクラスになった時は、正直苦手なタイプと思っていたけど、話していけばいくほど愛菜といる時間が楽しくなった



今ではなんでも話せる唯一の友達


「愛菜の方がかわいいと思うけど?


あたし性格悪いから」



「そうゆうクールなところ好きだよ!」
愛菜には話が通じない部分がある

まあそうゆうところも一緒にいて飽きないんだけどね



数日経ったある日のこと


「桃ちゃん!


合コン付き合って〜!」



「え…?」


愛菜は純粋だから合コンなんて1回もいったことなかったのに



「あ、私が企画したんじゃないよ!



友達に誘われて断れなくて…


この学校の同級生しかいないって言われたし…


桃ちゃんがいたら心強いんだけど…」



愛菜を1人で行かせるのはかわいそうかな…?


けど男と話すなんて嫌だし…




「お願い!


桃ちゃんは自己紹介だけしてあとは黙っていてくれるだけでいいから」



「そうゆうことなら…」



「本当!?


ありがとう!


じゃあ友達に言ってくるね!」