「今日も王子、凄い人気だったね」


歩は、若干引き気味に言う。


「まぁ、王子だかんね」


あたしはポッキーをつまみながら、席につく。


「てか、良太と別れたの?」


ブッ…


あたしは、食べていたポッキーを喉に詰まらせそうになった。


「ゴホゴホ…」


「大丈夫?」


「うん…ゴホゴホ」


あたしは、持っていたジュースを喉に通す。


「で、別れたの?」


「……うん、別れた」


「……そっか」


小さく呟き、歩は窓の外を見た。


「そんな、あからさまに目反らさなくても良いよ。」


あたしはため息をつきながら言う。


「…違う。」


「へ?」


「あれ、あんたのお母さんじゃない?」


歩の指差す方向を見ると、お母さんが立っていた。


「…何してんの?」


あたしは意味も分からず、お母さんの処へ走っていった。