「キャー!!王子っ!!」


「キャー!!こっち向いてぇっ!!」


黄色い声が飛び交うなか、王子は今日もクールにキメる。


「…俺、王子じゃねぇし。」


「キャー!!カッコい――☆☆」


「…だから、おいっ!!」


ポンッ…


あたしは幸人の肩に手を置いて言った。


「何言っても無駄だよ。王子♪」


「…てめ」


「にょほほ~」


あたしはスキップしながら、登校する。


東條幸人。


それは、大富豪一家の息子。


あたしと幸人の関係は、中学の時、席が隣になった事から始まった。


あたしが幸人と仲良くなると、家に招待されて、美味しいお菓子が食べれると思ったから。


――――なのに、一回もまだ招待されてない。


どういう事なんだ!!