カラン カラン

「いらっしゃい、蘭。」

ここ、『MOON-月-』の店長の彰さん。
私に生きる意味を教えてくれた恩人。
そして、私がしてる仕事の仲裁人でもある。
仕事のことはそのうちわかると思う。

「彰さん、私に用ってなに?急に依頼でも入った?」

基本は私が来た時に依頼を渡すってなってる。
彰さんから呼び出しは珍しいから急な依頼が入ったのかもしれない。
前もこういう事あったし。

「いや、依頼ではないんだよ。」

「え?じゃあ、なんのために呼んだの?」

彰さん、どしたんだろう?
何を考えているかさっぱりわからないや。

「蘭、急に申し訳ないが今日から学校に行きなさい。」

「……は?」

びっくりしすぎてついつい「は?」って言っちゃったよ。

「ほんとにどしたの、急に?」

「私の知り合いに高校の理事長をしてる人がいるんだ。その人が是非とも蘭に入ってほしいらしいんだ。」

「え、やだ。」(即答)

「そういうと思って、もう承諾しちゃったんだよ。」

いやいやいやいや、絶対ヤダよ。
理事長さんに辞めるって言おu…

「辞めるなんて言わないでよ?俺に恥かかせんの?笑」

「いえ、行きます。」

こわ~…。彰さん普段は優しいんだけど、怒ったら超怖いんだよね。
昔、族の総長だったらしくて殺気出されるとさすがの私でもビビるわ。
ここは言う通りにしないとだめだな。

「どこの高校なの?」

「氷月高校だよ。」

まさか…