「木口くんは中学2年生のとき、今から3年前、
自宅で倒れていたところを彩葉ちゃんが見つけ、北町病院に搬送された。
そして7月、ここ西里総合病院に転院してきたんだ。」
「……そうですか。」
「本当のことを言うと木口くんが意識を取り戻すかどうかも不安だったくらいだ。
でもまだ木口くんは若いからちゃんと治療すれば普通の生活はできる。
……まぁ薬や検診はあるけどね。」
ここまでみんながみんな黙っていた。
木口くんにはすごい辛いことかもしれない。
でも、今の医学は進歩しているから彩葉が医者になる頃にはもっと進歩してると思う。
だから、
木口くんには希望がある。
「…治療法は、あるんですよね?」
石井さんは頷く。