『志穂、早く目覚めてくれよ』
毎日祈っていた



握っていた指が微かに動いた


「志穂?目を開けろ」

瞼が開いた

「圭太郎?どこ?」
涙を流した

俺の姿は見えないのか?
目覚めたって安心できた
俺を見て
「あなたは誰?」ってあれには参ったが、
「慎太郎だよ、圭太郎の父親の慎太郎もう離さない3人で暮らそう、なぁ志穂」

戸惑ったような顔の志穂は
「圭太郎には父親いません、手を離してください」



医師に聞いたら意識が混濁しているのだろうと・・・・
しかし、何故なんだろう
俺を見ることはしない
まるで拒絶をしているような


「明日圭太郎連れて来るから」


「いい、いい人いたら圭太郎に母親を作って・・・・」


「何言うんだ?俺は志穂としか一緒にはならない、退院したら3人で暮らそう」


志穂は首をふった

「ダメなんだ、それはできないから」と言って布団を被った

おば様に言われた「圭太郎は血のわけた孫私には関わりたくないから消えて欲しい、慎太郎には、いい人を見つけるから」とだから・・・・