「はるひこ君…が、私、のことを?」

「あぁ。」

ゆっくりと体が離され、顔を見上げると
はるひこ君の顔は赤くなっていた。

手で口元を隠すはるひこ君。

「あんまり、みんなって。」ペシッと頭をはたかれる。

そしたら、急に真面目な顔になって。

ドキン。

このドキドキは…。違う。

蓮君みたいじゃないもん。

「返事はいらねぇよ。…本当は欲しいけど、お前、どーせ、蓮ってやつだろ?そんなんはぬきにして、真面目に俺のこと考えてよ。」

「うん。…分かった。」

でも、もう答えは決まってるんだよ。

「ごめんなさい!」私が勢いよく言うと

「は!?今、言うか!?」とはるひこ君が驚く。

「え…?だって真面目に考えろって…」

はるひこ君は「はぁぁ。ちげぇよ、もっと時間をかけて、返事はもっと後でいいから。って意味!」と言ってがっくりとうなだれる。

「あ、ご、めんね?」私がはるひこ君の顔を覗き込むと

「可愛いから許したる。」って。

さすがチャラ男だな。ふふ。

「そろそろ戻るぞ。」「うん!」

階段の踊場から離れ、はるひこ君とは、わかれる。

うん。でもね、はるひこ君。

いつ、好きな人はだれ?って聞かれても私は自信をもって?っていうか
ちゃんと。

蓮君です。

って、答えれるよ。

だから、ごめんね。

私は蓮君が好きです。