「いや、そういうパターンではないです…」
ここで僕がメガネを外してしまったら、
僕の顔は『期待はずれ』で
二人の間に残念な空気が漂うことは避けられない。
「1回外してみてくださいよぉ〜」
それにしても、彼女のこの高い声はどこから
出ているのだろう。
「遠慮します…」
と、安東さんの手がすっ、と僕の顔に
向かって伸びてきた。
そして僕が抵抗する間もなく、僕の
メガネは安堂さんの手元に収まってしまった。
「あ…」
ヤバい。
僕は、この後訪れるであろう、気まずい沈黙に
耐えるための心の準備をした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…