「おい、田中いるか」

先輩が僕を探している。

うわっ、ヤバい。
とっさに机の陰に隠れようとして
先輩と目が合ってしまった。

先輩はその瞬間、怖い顔になり、
僕の方へズカズカと歩いてくる。


「おい田中、取引先の住所
間違ってんじゃねぇか」

そう言って僕が作った資料を
突き出してきた。

「す、すみません…」

「お前、いい加減にしろよ、
もう二年目だろ!」


周りからの視線が痛い。


先輩が僕に説教をする間、
僕はひたすらペコペコするしかない。