君と初めて逢ったのは、そう確か高校2年の春だった。
あの日あたしは忘れ物をして、ひとり学校に戻ったんだ。
生徒のいない校舎は静かに夕日を受けて、すべてがオレンジ色に染まっていた。
始業式そうそう携帯を学校に忘れたあたしはため息をつきながらも早足に教室へ向かった。
扉に手をかけてなんのためらいもなく扉を開け、教室に足を踏み入れる。
「…え?」
誰もいないと思っていたのに、目の前には教室と同じオレンジ色に染まった車いすの少年。
…綺麗な人。
男の子にこんなこというのは変かもしれないけど、思わず見とれてしまうほどに彼は綺麗だった。
「えっと…」
彼の声で我に返る。
「あ、あたしは牧野 美唯香(まきの みいか)です。今日からこのクラスになって…」
「俺は、佐原 恭介(さはら きょうすけ)。俺もこのクラスになった」
低いけど通る声でゆっくり言葉をつないでいく佐原くん。
まるで、一つ一つの言葉を噛みしめるみたいに…
そういえば、同級生なのに逢うの初めてだなぁ。
「佐原くんは去年何組だったの?」
「6組だよ」
6組…?
隣のクラスなのに1度も見たことない。
あの日あたしは忘れ物をして、ひとり学校に戻ったんだ。
生徒のいない校舎は静かに夕日を受けて、すべてがオレンジ色に染まっていた。
始業式そうそう携帯を学校に忘れたあたしはため息をつきながらも早足に教室へ向かった。
扉に手をかけてなんのためらいもなく扉を開け、教室に足を踏み入れる。
「…え?」
誰もいないと思っていたのに、目の前には教室と同じオレンジ色に染まった車いすの少年。
…綺麗な人。
男の子にこんなこというのは変かもしれないけど、思わず見とれてしまうほどに彼は綺麗だった。
「えっと…」
彼の声で我に返る。
「あ、あたしは牧野 美唯香(まきの みいか)です。今日からこのクラスになって…」
「俺は、佐原 恭介(さはら きょうすけ)。俺もこのクラスになった」
低いけど通る声でゆっくり言葉をつないでいく佐原くん。
まるで、一つ一つの言葉を噛みしめるみたいに…
そういえば、同級生なのに逢うの初めてだなぁ。
「佐原くんは去年何組だったの?」
「6組だよ」
6組…?
隣のクラスなのに1度も見たことない。