「陸、ありがと…」


「黙ってろ。おとなしくしとけって言ってんだろうが。くそぉ。なんで俺が……」


「ヤダ!今、喋りたい。これで あたし、陸の背中…2回目だよ。ゴホッ。やっぱり陸の背中はあったかいな…」


「お前、やっぱウザッ!喋んなっ。ここで下ろすぞ」


陸がね、どんなに冷たい言葉を言っても


あたしは陸がこの背中の温かさと一緒なくらい…心があったかくて優しいことを知ってるもん。


幼稚園の時にアジサイを見に行ったあの時も黙ってあたしをおんぶしてくれたし


雨の中、怒りながら捨て犬にエサをあげてるところだって見たことがある。


他にも…陸にはいいところがいっぱいある。



それくらい…ずっといつも陸だけを見ていたから──・・・


やっぱり陸が…好き。