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その日の放課後、あたしのテンションを下げている犯人は部活に姿を現さなかった。


それでも陸に甘えていた彼女の存在が、何度もあたしの頭の中に浮かんでくるなんて最悪。


「ゴホゴホッ…」


朝より咳がひどくなってきたし、体がダルい。


スコアボードの横でストップウォッチを片手にミニゲームをボーッと見ていると


「ピ───ッ。練習はここまで!」



高野コーチが笛を吹き、今日の練習が終了した。



「やっと終わった。今日は早く帰ろっと…キャッ!?」



一瞬、ぐらっとした視界。


気のせい…?


足元がおぼつかなくて、体がふわふわしてきた。