息を止めろとでも命じたら、どうなるんだろう?
チラリとそう思った瞬間、祥之助の頭上の黄帝珠が声を轟かせた。
【こざかしい! この程度のチカラで、我らを制御したつもりかッ!】
その声は、衝撃波だった。
黄帝珠を中心として噴き出した圧力に、ぼくはよろける。
ビリビリと部屋全体が揺れた。
ただよう淡い光が、いくつか割れて砕けた。
「宝珠が、単独でチカラを使った?」
【驚いておるのか、玄武よ。無理もない。おぬしの玄獣珠は無能に沈黙しておるからな。
しかし、我、黄帝珠は違う。物理的な制約を受けぬココロの世界では、思うままにチカラを使えるのだ】
哄笑が再び衝撃波を生んだ。