八月初旬の月曜日。宿直室。現在の時刻、午前八時。
海音はまだ、朝食もとっていなかった。
昨夜コンビニで買ってきたパンと牛乳が、テーブルの上に並んでいる。
だが、手を出す気になれない。
歯を磨いて顔を洗って鏡を見る。
目の下にクマが二頭住み着いている。
昨日にましてひどい顔だった。
菊池のことを思うと、とても眠れなかった。
親友が海で死んだ、と峰から聞いたときから、とてもとても穏やかではいられない。
踏み入れてしまった一歩がことのほか大きかったからだと、海音は思う。
図らずして聞いてしまった、菊池のひとり合宿の理由。
ひとつ疑問が解消されれば、その先が気になる。
それは人間の性だといってもいいが、この場合、本人に尋ねるのはタブーのはず。
だが、どうしても気になってしまった。
菊池の泣きそうな顔が、あの日から脳裏にちらついて離れない。
あんな顔をさせる原因はなんだろう、という嫉妬めいた感情が生まれてしまった。
ため息をついて、海音は重い腰を上げる。
海音はまだ、朝食もとっていなかった。
昨夜コンビニで買ってきたパンと牛乳が、テーブルの上に並んでいる。
だが、手を出す気になれない。
歯を磨いて顔を洗って鏡を見る。
目の下にクマが二頭住み着いている。
昨日にましてひどい顔だった。
菊池のことを思うと、とても眠れなかった。
親友が海で死んだ、と峰から聞いたときから、とてもとても穏やかではいられない。
踏み入れてしまった一歩がことのほか大きかったからだと、海音は思う。
図らずして聞いてしまった、菊池のひとり合宿の理由。
ひとつ疑問が解消されれば、その先が気になる。
それは人間の性だといってもいいが、この場合、本人に尋ねるのはタブーのはず。
だが、どうしても気になってしまった。
菊池の泣きそうな顔が、あの日から脳裏にちらついて離れない。
あんな顔をさせる原因はなんだろう、という嫉妬めいた感情が生まれてしまった。
ため息をついて、海音は重い腰を上げる。