七月最後の金曜日。屋外プール。現在の時刻、午前八時。
波音はプールサイドから勢いよく中へ入る。
すぐに頭まで水に漬かって、泳ぎだす。
水中に、光の柱が何本も立っていた。
青い床に広がる光彩がまぶしいほどだ。
気がすむまで光の模様を楽しんだ後、水の上で仰向けになった。
波音は背泳ぎが好きだった。
空を眺めていられるから。
プールの中は、限られた世界だけれど、空は限りなく続いているから。
……あの海のように。
いつものように、鼻をつまんで勢いよく沈む。
口から息を吐き出すと、徐々に体が落ちていく。
空気の玉が、天に向かって昇っていった。
無数の泡の、水面への短い旅。
水上へ出たら、はじけて消えてしまうのに。
はやくはやく、と先を急ぐように上っていく。
魅力的な『何か』が外の世界にあると信じた、人魚のように。
波音はプールサイドから勢いよく中へ入る。
すぐに頭まで水に漬かって、泳ぎだす。
水中に、光の柱が何本も立っていた。
青い床に広がる光彩がまぶしいほどだ。
気がすむまで光の模様を楽しんだ後、水の上で仰向けになった。
波音は背泳ぎが好きだった。
空を眺めていられるから。
プールの中は、限られた世界だけれど、空は限りなく続いているから。
……あの海のように。
いつものように、鼻をつまんで勢いよく沈む。
口から息を吐き出すと、徐々に体が落ちていく。
空気の玉が、天に向かって昇っていった。
無数の泡の、水面への短い旅。
水上へ出たら、はじけて消えてしまうのに。
はやくはやく、と先を急ぐように上っていく。
魅力的な『何か』が外の世界にあると信じた、人魚のように。