「はぁ…」
思わずため息をつく。今日はくたびれてしまった。
周りを見ると荒れ果てたベッド。開けっぱなしの冷蔵庫。散らかったキッチン。
全部僕がやったんだ。
あの時は頭の中がぐちゃぐちゃでわけがわからなくなっていたんだ。
片付けをしながら床に広げられた一冊の本を手に取った。
画集。僕のだ。
小さい頃から絵を描くのが好きだった。高校の時、出版社から声がかかり初めて本を、画集を出した。
巷では天才だのなんだの言われているけれど僕は好きなものを好きなように描いているだけ。
僕は少し不思議に思いながら画集を眺めていた。
「やっぱり私、蓮ちゃんの絵が一番好きだな」
君が突然僕の前へ現れた。