「にしても、すごいね」
転入生の席には人集りがあり、さっきから質問の山だ。
それに笑顔で対応している転入生の深澤。
「気になるの?」
「別に。ただ、あの胡散臭い笑顔が嫌だ。」
まるで仮面でもしているようだ。
そんなこと考えていると同時にドアが開いた。
そして聞き覚えのある声も聞こえた。
ガラガラガラー
「蒼!転入生見に来たよ!!」
「そろそろ来ると思ったよ。」
声の持ち主は、幼馴染みの美弥胡だった。
「転入生はどこ?」
「あっちだよ」
蒼一は、人集りの方に指を向けた。
美弥胡は、向けた方を見て「これはすごいね」と一言言って「うんじゃ行ってきます」と言って人集りの方に向かおうとした。
「あっ、待って美弥胡だけじゃ心配だから俺も行く」
「別に喧嘩しに行くんじゃないんだけど」
「分かってる分かってる。」そう言いながら人集りの方に向かっていった。
俺もそろそろ戻ろう。
「翠まで私が喧嘩すると思ってるの!?」
「俺は席に戻るだけだ」