あの日___つまりはロケットが爆発した日だけど___あの話には当然続きがある。
爆発を呆然と見ていたぼくは瞬間、駆け出していたんだと思う。
多分電車に飛び乗って、きっとバスに乗ったと思う。
適当な言葉が見つからないけど、あっと…そう、無我夢中…だっけ。
霧中…だっけ。
間違ってたらごめんなさい、ぼくはあまり言葉が得意じゃないんだ。
とにかく、ぼくはそうやって打ち上げ所まで行った。
その頃ぼくの眼はもっとおかしくなって、存在すらうまく認識できなかった。
もやがかかったような、霧の渦巻く森のような…
ぼんやりと、白い影が見えるだけ。
何度も見えない壁にぶつかって、ぼくはなんとかヒトをかきわけ翔の家族を見つけた。
彼らの目の前には棺桶があった。
ぼくはゆっくり近づいていった。