「貴方には関係無ー」
「七瀬先輩、部長が呼んでますよ。」
我慢の限界にきたあたしは少し大きめの声で言いながら腕を振り切ろうと思った時、
後ろから愛おしい人の声が聞こえた。
振り返ってみればそこには、龍之介くんが居て…
「何だお前?」
「もう休憩時間終わるんで戻りますよ。」
そう言って龍之介くんはあたしの腕を掴んでいる男の手を引き剥がして
あたしの腕を引っ張った。
「おい待てこら」
「話なら部活終わった後に聞くんで。」
ドスの効いた声で答える龍之介くんの眼は
男の人を鋭く睨んでいる。
こんな眼もするんだ…と見入っていると
行きましょう、と言われ龍之介くんは再びあたしの腕を引っ張った。