「あ、えっと…ありがとうございます…?」

「へっ⁉︎あー…うん、ははっ、何か、ごめんねっ」






少し戸惑いながら疑問系でお礼を言った彼は絶対に

あたしの言った言葉の意味が分かっていない。

そんな彼に対してあたしはもう誤魔化すしかなくて、

止まっていた掃除の手を必死に動かした。



そう…だよね、分かりにくかったよね。

あたしの言葉の意味が分からなかっただけで、

迷惑だからとか、嫌いだからあやふやにされてる、とかではないよね。

そんな事ばかりを考えていて、

その後龍之介くんと何を喋ったかもどうやって帰ったかも全く記憶に無い。

記憶に残っているのは、少し微笑んだ顔と

少し戸惑いながら疑問系でお礼を言う彼の顔だけーーー。