「あ、そう言えば、龍之介くん何の用事だったの?」

「あー、筆箱忘れてたのを取りに来ただけです。」

「筆箱?」






あたしは龍之介くんの返答が意外過ぎて

ふふっ、と笑ってしまった。







「やっぱり龍之介くんって真面目だね。」

「真面目…じゃないですよ。」

「えー?龍之介くんは真面目だよ?」

「どこがですか。」







今にも、心外だ、と言いたげな真面目な表情で問いかけてくる。

その表情が少し面白くて、またあたしは

ふふっ、と笑ってしまった。

そしてその後にあたしは思った事を口にした。






「ほら、サッカーに一生懸命な所とか!」

「それはサッカーが好きなだけですよ。」





少し意地になって即答する龍之介くん。

そんなに真面目って言われたのが気にくわなかったのかな…?