ーー高校3年生 6月。
「いちについてー!よーい、ドン!」
パンッ!とスタートの合図が鳴る。
梅雨入りが先日発表され、連日雨だったのが嘘のように
体育祭の本日、快晴。
カンカン照りの為日焼けをしないように
自分の組のテントに避難しながら競技を見ていた。
「あ、ねぇ。あれ百合の彼氏じゃない?」
「え…?あ、龍之介くん…」
日菜子に言われ、指をさした方向を見てみれば
次の種目の待機列に龍之介くんが並んでいた。
「てか、彼氏じゃないから!」
「あー、はいはい。いいから前に行って見てこれば?」
日菜子には、龍之介くんに対する想いを打ち明けた。
そうすれば即答で、それ確実に恋だね、と言われてしまった。
その後からこうゆう風に弄られる事がある。
まぁもう気持ちには嘘はつけないので流していくのがベスト…
そう思い日菜子に、行ってくる、と言って
あたしはテントから出て競技が見やすい所へ行った。