その時、あたしの携帯が鳴り画面にはバイト先の名前が表示されている。
望月くんに、御免と断りを入れ電話に出ると店長からで、
バイトの子が体調を崩したので急だが出て欲しいと言われた。
はっきり言うと断りたかったが店長に
頼む、と懇願され、あたしは分かりました、と渋々承諾した。
「大丈夫っすか…?」
「あ、うん。急にバイトが入っちゃって…」
「え、すぐに帰らないとダメな感じですかね?」
望月くんは少し焦ったように聞いてくる。
時計を見てみるとあまりゆっくりしている時間はない。
うん、そうだね…と返事をすると
「もうすぐで龍帰って来ると思うんで!」
「?」
「もうちょい待っててもらえないっすか。」
必死な顔で言う望月くん。
あたしも龍之介くんに会いたい。