「てかさ、今は付き合うとか考えてないって百合の事を振ったくせに何なの⁉︎」
「…坂本さんがタイプだったから…とか…」
「それがあり得ないって言ってんの!」
日菜子は段々と腹が立ってきているのか
また声が大きくなっていく。
「その女がどれだけ可愛いか知らないけど、百合より良い女のわけないでしょ?」
「日菜子、それはあたしの事を過大評価し過ぎ」
「過大評価じゃないから。」
あたしの言葉を遮って真面目に言う日菜子。
こんなにも幼馴染に認めてもらっていて
自分のことのように怒ってくれている。
あたしはそれだけで充分だった。
「ありがと…」
「本当、サッカー馬鹿のくせに百合を何回泣かせば気が済むのよ。」
本当腹立つわー、と言いながら
バタッとあたしの部屋で大の字になる日菜子。