「お前が部長になって、1年生の可愛いマネージャーの彼女が出来たって話だよー!」
そう言いながら、あははは、と笑う彼の言葉を
あたしは伏し目がちに笑いながら聞く。
龍之介くんの顔は見れない為、どんな顔をしているかは分からない。
「お前らアップまだだろ、さっさとしてこい。」
少しいつもより低めの声で言った龍之介くんの言葉を聞いて
あたしの周りに居た2年生は返事をして
アップをしに走って行った。
この場に残ったのはあたしと、
アップを終えたであろう龍之介くんと望月くんだけだった。
あたしは何か喋ろうと龍之介くんの顔を見た時、
「悪い、ちょっと部室に忘れ物した。」
「え、おい!龍!」
望月くんの制止を聞かないまま、
龍之介くんはあたしの横を通って行ってしまった。
一度も…目が合わなかった…。