父さんたちから色々と的確に見抜かれたせいで、見事に動揺しまくってるじゃねぇか、俺…。


これじゃあ、花奏に不審がられる…。


もっと冷静にならないと…。


「眞紘くん、大丈夫…?眉間にシワ寄せて、難しい顔してるけど……」


「あ、いや…大丈夫。ちょっと考え事してただけだから。」


心の焦りが、無意識に顔に出てたのか…。


ったく、花奏に余計な心配させてどうすんだよ…。


「あの、引き留めちゃってごめんね…。それじゃあ、また後で…。」


「あっ、花奏!」

 
気まずそうに笑って歩き出す花奏を、咄嗟に呼び止める。


パチパチと瞬きを繰り返して驚いてる花奏の両手から、買い物袋をヒョイッと取った。


「ま、眞紘くん…!?」


「荷物、重そうだから家まで運ぶ。」


「えっ、いいよいいよ!!一人で持てるから、全然平気だし…!」


買い物袋を俺から取り返そうと、花奏は慌てて手を伸ばす。


俺は取られないように、何歩か後退りをした。