「何も言わなくたって分かるわよ!眞紘は、普段から何かと花奏ちゃんのこと、気にしてたじゃない。」


「えっ?」


「今頃は文化祭の時期かな…とか、季節の変わり目だけど風邪ひいてないかな…とか、他にも色々。」


「…そ、そうだっけ?」


照れくさくて、とぼけたフリをしたけれど、もちろん…思い当たる節は多々ある。


言われてみれば、花奏のことを色々と話してたな、俺。


「高校合格した後だって、毎日…とても嬉しそうだったし。引っ越すの、凄く楽しみにしてたでしょ?花奏ちゃん大好きオーラが半端なかったわよ!パパも、そう感じたわよね?」


「そうだな。一人暮らしのアパートだって、色々と候補があったけど、ここに即決だったもんな。お前は部屋が気に入ったって言ってたけど、本当の理由は、花奏ちゃんの家に一番近い物件だからだろ?」


「………。」


上手く隠してるつもりだったのに、ハッキリと見抜かれてる…。


恐ろしいな…。