「うっわあ~! すごいね!!」


やっとショッピングモールに到着した私たちは、みんな歓喜の声をあげていた。


新しくできたショッピングモールがかなり大きいってことは噂で聞いてたけど、まさかここまで大きいなんて……。


「テンション上がるね~まずどこ行く?」


「そうだな~……プリとか?」


そういえば男子とプリなんて撮ったことないけど、せっかく来たんだからプリぐらいは撮りたいよね。


「「絶対やだ」」


と思っていたのに、見事なシンクロで二人に拒否られた。


女子だったらほぼみんな喜んで撮るけど、やっぱり男子は嫌なのかなあ……


「でもお願い! 撮ろうよ~」

「そうだよ。撮ったことないの? プリ」


正弘くんと蓮くんは「当たり前だろ。絶対撮らない」って言ってたけど、なんとか頼み込んでゲームセンターまではやって来た。


「はい、撮るよ~!」

「えー嫌って言ってんじゃん。ねえ美琴~……」

おもちゃを買ってほしいと駄々をこねている子供のように、嫌だと言い続ける正弘くんと蓮くん。

「ほら、蓮も。美琴ー! このプリ機にする?」

「あ、うん! それオススメだよ~」


やっとプリを撮ることになって、私と百合だけはテンションがあがっていた。


少し強制的だったし、正弘くんと蓮くんは浮かない顔だったけど。





「あははっ! 正弘くん全部顔同じじゃん!」

撮り終わってから、印刷されたプリを眺める。


「この美琴………かわいいね」



不意うちで言われた言葉にどう反応すればいいのかわからなくて、私は視線を泳がせた。

てか、プリの中の私だから!


なに勘違いしてんの……。


「正弘くんこそ………か、かっこいい……」


自然と零れたその言葉。


「あっ、ご、ごめん! 今のは……違う! 忘れて!」


だけどその言葉は、正弘くんをさっきの私みたいにするには充分な言葉だった。


「え……うん…」


正弘くんは耳まで真っ赤に染めてうつむいている。