『蓮:で、今正弘と付きあってんの?』
『そうだけど』
なんで私と正弘くんが付き合ってるだけで怒るの?
まあ……たしかに前までは蓮くんのことが好きでそれは蓮くんも気づいてたと思うけど、いきなり他の人と付き合うのは勝手なのかな……。
どうしたらいいのかわからない。
でも、二人の重荷にならないようにするためには……こうするしかないんだよ。
――……
「美琴! 一緒にお弁当食べよ?」
昼休み、一番に話しかけてきたのは百合だった。
私が返信してからは百合からもなにもこなかったし、今日は一緒に食べないのかと思ってたけど。
「うん」
またギクシャクしないですむんだよね。よかった……。
「俺もいい?」
え?
私が振り向いた先には、お弁当をもって立っている蓮くん。
そうなると当たり前のように正弘くんも加わり、久しぶりに四人で屋上へ向かった。
――ギィィ……
そこには、いつものように大きくて広い大空が視界いっぱいに広がっている。
だけど、四人でそろって見るものと一人で見るものは全然違うよね。
「で、結局……蓮と百合は付き合ってるっていうことでいいの?」
正弘くんが蓮くんと百合の顔を交互に見ながらもう答えなんてお見通しだとでも言うように問いかけた。
「………まあ……?」
「えっと……あー、うん?」
二人とも、顔を赤らめながらはっきりとは言ってくれない。
「もー、百合、蓮くん! もう分かってるから言ってよ」
私はじれったくなって少しあきれぎみにそう言った。
百合と蓮くんが付き合ってるなんて嫌で仕方ないはずなのに、不思議と今は二人のことを祝福してあげられる。