第一、あれからちゃんと四人でしゃべってもないし……。

二人が付き合ってるのかどうかすらもわかんないけど、たぶん付き合ってるよね。

もしも付き合ってなかったとしたらその理由は……

「私たち……かなぁ」

「ん? なに、どうしたの美琴ちゃん」

あ、また心の声漏れてた……。


―キーンコーンカーンコーン

「あっ、ごめん! 長くなっちゃって……」

「ううん! 大丈夫。じゃあ、またね!」


席につくと、百合と蓮くんからラインが来ていたことに気づいた。

『百合:どういうこと?』

『蓮:美琴ちゃんの好きな人って結局誰なの?』

二人とも、少し怒ってるみたいに感じる。

普段の顔文字とかがないから余計かもしれないけど……なんで怒るの?


百合と蓮くんは両想いで付き合って、私と正弘くんも邪魔物にならないように付き合って。


みんな、それで丸く収まるのに。


なんて返そうか迷ったけど、百合には『正弘くんと付き合ってるだけじゃん』って送っておいた。


でも……、蓮くんのこのライン、どうすればいいんだろう。


それ以前にどういう意味?


まあでも……昨日ので私が蓮くんのこと好きってことはバレたよな……。

たしかにそう思うのはわかるけど、なによこの聞き方。


私が男好きみたいに……。


『正弘く』


そこまで打って、私の手は止まった。

私と正弘くんが付き合ってるのは蓮くんと百合に気をつかわせないためなんだから……彼氏彼女ってふるまわなきゃいけない。


呼び捨ての方がいいのかなあ……。


長く考えたあげく、私は『正弘だよ』と送った。