「えっ……」


少し勘づいているとは思ってたけど、まさか聞かれるとは思わなくて私はそれ以上答えることができなかった。

「でもさ、百合と蓮って両思いなんでしょ?」


「なんで知ってんの」


「蓮から相談受けてたし」


まだ蓮くんからはっきり聞いたわけじゃないから少し期待しちゃってたのに、やっぱり両思いっていうのはほんとなんだね……。


「そうなんだ。まーでも、私には関係ないよ」


「ほんとは嫌なんでしょ?」


嫌だよ。嫌に決まってんじゃん。

だけど……、どうしようもできないんだよ。


二人の邪魔もしたくないし、かといってこのまま見守ることもできないし。


「その気持ちはめっちゃわかるけどね」


気づけばもう私の家についていて、正弘くんは『またね』と言って帰っていった。

てか……最後の意味深な言葉、なんだったの?


考えてもわかんないし……私は諦めて、それよりも自分のことを考えようと頭のなかを切り替えた。


最近自分でも、らしくないなあと思う。

前まではこんなんじゃなかったと思うんだけど……。



四人でまた何事もなかったかのように仲良くする。

二人の恋を応援して結ばれるように協力する。

諦めずに好きでい続ける。

それとも………もう、みんなバラバラで生活する。



どれがいいんだろう。


ずっと考えてるけど、全くわかんない。


「美琴ー? そろそろお風呂入りなさい!」

気づけば、もう9時を回っていた。