―パン! パンパン!






「「「ハッピーバースデー!!!」」」







…………へ?


「蓮くん……正弘くんも…………どうして?」


百合の部屋はとてもきれいに飾りつけがしてあって、クラッカーを持った百合と蓮くんと正弘くんが立っている。


「どうしてって……今日は美琴の誕生日でしょー?」


私の誕生日?

うそ……すっかり忘れてた……。


「じゃあこれ……」


「サプライズ! 百合ちゃんから事情聞いて、ずっと空き教室で準備してたんだよ」


空き教室?

空き教室ってまさか……!


「そうなんだ………あっ、……ありが……と……っ……」


あのとき聞いた三人の会話は、そういうことだったんだ。

私、てっきり嫌われたのかと思ってたし……。


こんなにも盛大にお祝いしてもらったのは初めてで、私は涙が止まらなかった。


「ちょっと泣かないの~!ww はいこれっ、私からの誕生日プレゼント!」


かわいくピンク色の包装紙で包まれたプレゼント。

中には、香水が入っていた。


「あ、これ……」

「美琴、この前それ欲しいって言ってたでしょ?」


そんなことまで、覚えててくれたんだ。

「ありがと……っ……」

「やだ美琴、また泣きそうじゃん! 泣くな~!」


だって、嬉しいんだもん。

嬉し涙なんて流せるの幸せだよ。

「じゃあ、これは俺から。百合の次だと渡したくなくなるけどw」

「なんでww 正弘だって超真剣に選んでたし、いいんじゃないの?」


私なんかのためにみんなが真剣にプレゼント選んでくれたんだ……。