――……

「いったあ~……」


あのあと全力で走り出したのはいいものの、バトンを渡す直前で派手にずっこけてしまった。

恥ずかしさと思った以上の衝撃で気絶しちゃって、それからはあんまり覚えてない。


目を覚ましたときには、私は保健室にいた。



誰が運んでくれたのかわからないけど、まず迷惑をかけてしまったクラスの
みんなと蓮くんには謝っておこうと思って、今足を引きずりながら運動場へ向かっている。



―ガラッ

「「うわっ!!」」


保健室のドアを開けたと同時に、誰かとぶつかってしまった。


「ごめんなさい……!」


急いで謝って顔をあげると……、私がぶつかった相手は正弘くんだった。



「正弘くん……どうしたの?」


「よかった。目 覚ましたんだね、美琴ちゃん」


「え?……あっ、もしかして……ここまで運んでくれたのって正弘くん?」


「うん」