「なるほど。
来栖さんは、どのような思いで
この小説を?」

「私も高校生の時にずっと好きな人がいたんですけど、片想いが辛くてその人を忘れるために、
別の人と付き合ったんです。

でも、本当は両想いだったみたいで、
その人は私に卒業式の日に告白してくれたんです」


「それで、付き合ったんですか!?」
アナウンサーが尋ねる。


「いえ。
『遅いよ、もう好きじゃないよ』
という感じのことを言って
しまったんです。


本当はその人のこと、すごく好きだったし、嬉しかったのに…。