そこからはもう、どうやって自分の 家までたどり着いたのかも 覚えていなかった。 でも、いつの間にか自分の部屋にいて テレビを観て、 夜ご飯を食べていた。 ご飯を食べた後、お母さんに 頼まれて風呂を掃除する。 浴槽をスポンジでゴシゴシやっていると、急に胸がギュウッとなった。 うわ、と ビックリする暇もなく ポタリ、 と涙が一滴タイルの床に落ちていた。