「いやいや!おい!お前ら待てよ!」

俺が叫びにも2人は振り向かない。


…はあ。

とりあえず花瓶の破片を集めることにする。
先生には後で説明しよう。


それにしてもヒドイよな、あいつら。

黙黙と破片を集めていると、
目の前にサッとちり取りが出て来た。

床から目線を上げると、
僕のすぐ前に古川がいる。


…ってえーーーっ!

僕は状況を把握した途端焦り始めた。
全く声が出てこない。


「岡田くん、怒らないなんて大人
なんだね。」

「いや、別にそういう訳じゃないです」


「この破片は私が捨てとくね。」
そう言うと、古川は教室から出て
行った。

「あ、ありがとうございます…。」

慌ててその背中に声をかけたが、
多分聞こえてなかった。