彼女はそれだけ言うと、
俺に小さな紙袋を押し付けてきた。



「じゃ、バイバイ。」
少し照れた表情でそれだけ言うと、
彼女はくるり、と回れ右をして
帰っていく。



「…バイバイ。」
本当はもっと言わなければいけない
ことがたくさんある。

でも俺が口にだせたのは、
これだけだった。