翌日、学校に向かう足取りは重い。


かじかむ手を息で温めながら
玄関に入る。

「あ…。」

目が合う。

しまった、朝家を出る時間をずらして来るべきだった。
すごく気まずい時間が一瞬流れる。


「…おはよ。」

「うん。」

向こうから挨拶はしてくれたけど、
昨日の言葉、やっぱり聞かれてたんだ。



何を言えばいいか分からなくて、
それ以上は何も言わず無言で通り過ぎる。