昼休み、女子がなにやらキャーキャー騒いでいる。
どうせ、恋バナしよ〜!とか 言っているに違いない。
まあ、それはいつものことだから 気にしないけど、
そのなかに古川がいるとなると、話は別 だ。
なんとか話を聞き取ろうと、 姿勢をよくしたり無駄な努力をしてみる。
「さえはさぁ、いいな〜、みたいな人いないの?!」
聞いているのは水森あずさ。
彼女は女子の中心的存在だ。
俺は、あずさのような賑やかな女子は あまり好きではないけど、今は彼女が 声が大きいことに感謝する。
「さあ…。」
「えっ、何そのリアクション〜! 否定しないってことはいるんだ〜!!」
周りの女子が盛り上がって、古川は顔を赤くしている。
え、いるんだ。 僕はがぜん焦り始める。 早く続きを聞きたい。