「おーい。一緒に帰ろー!」
向こうから古川が走ってくる。
僕と古川はふたりとも徒歩通だ。
気付いていなかったけど、方向も同じだったらしい。
古川は白いマフラーが似あっていて、可愛い。
「あのさ、そのマフラー…。」
「ん?これ?可愛いでしょ。」
「…うん。」
最近徐々に話せるようになってきたものの、僕のヘタレ具合は相変わらずだ。
ちがーう!そうじゃなくて!
マフラーじゃなくて!
「いや、古川が可愛いなって。」
なんでこんなさりげないことも言えないんだろうな…。
きっと勇樹だったらサラっと言うはずだ。
モテるイケメンは羨ましい。