ああいう時に
俺も古川が可愛いと思ってた!

なんて言えたら楽なんだろうなあ…。
僕は一人でため息をつく。


勇樹と古川が付き合うなんてことになったらどうしよう。


先輩も受験で辛くなる11月からはカップルが増え始めるとか言ってたしな。


嫌な想像が頭をもたげてくる。
古川が、ゆうきー、この問題教えて〜。
なんて甘えている。
勇樹も、見せてみ?なんて言いながら古川の頭を撫でちゃったりするのだ。



…うわーっ!
暗い気持ちになって、シャーペンを投げ出しそうになる。

勇樹がとてもいい奴だと分かっていてもそれだけは嫌だ。



そもそも、こんなに勉強以外のことばっかり考えていて、僕は大丈夫なんだろうか。


うーん、全国の片想い中の受験生はどうやって勉強に集中しているのだろうか。
またどうでもいいことを考えながら
、僕はノートにシャーペンを走らせた。