あれからしばらくの月日が経ったが、
これといって大きな展開は無い。
古川が質問をしてくることも無い。
いくら期待していないとはいえ、
やっぱりガッカリしてしまう。
これは十分期待しているっていうことなんじゃないのか?
自分に苦笑しながらツッコミを入れる。
それに、最近問題もひとつあった。
昼休みに食堂でパンを食べている時に、
クラスの女子で誰が可愛いかというよくある話になった。
「俺はさ、古川とか結構タイプ。」
と、突然勇樹が言い出したのだ、
そうなのか、勇樹はああいう女子がタイプだったのか。
…僕と被ってるじゃねえか!
周りのヤツも、
「まあ確かに可愛い方だな。性格も良いし。」
なんて言っている。
僕はというと勇樹の発言に想像以上に動揺している自分に1番動揺して、それを
悟られないように黙っていた。
「翔太は?」
誰かが話を僕に振ってくる。
「翔太はあんま女とか興味ねえだろー。」
僕が答える前に勇樹が返事をしてしまったので、
「ん、まあな。」
としか言えなかった。
ほんとかよ〜、と周りが盛り上がってくるが、なんとかごまかす。
僕は、男子の中でもクールなキャラで
定着しているからだ。