「ところで、どうしたの?1人?」


「うん…」


不意に千草ちゃんの顔が曇る。


「ミサキちゃんは?一緒じゃないの?」


「誘ったのよ?
久しぶりに日本のファミレスに行きたいって!なのに、また今度って…。」


あの役立たず…


「何なに?何でミサキさん?」


「あ。言い忘れてたけど、千草ちゃんはミサキちゃんのイトコなの」


「へー!」

「そう言われてみたら、似てるかも」

「美形親族だね」


感心したように千草ちゃんの顔を見つめる。


「ミサキ…少し変わったね。昔は天使みたいだったのに」


と、千草ちゃんが寂しそうに呟く。


「そーなの!」


あぁ…こんなところに良き理解者が!


「そーなんだ」


みんなの知ってるミサキちゃんは、今のミサキちゃんだもんね。


「じゃあとにかく、良かったらここに座りなよ」


アユミが自分の右隣の、スペースが空いているところを叩く。


「え、いいの?」


「いいよー!1人でご飯じゃ寂しいでしょ?」


「っ、ありがとう!」


…自分が男だったら間違いなく惚れてるね、この笑顔。