「へぇー、そんな可愛いんや!見てみたいなー」


と目を細める紺野君に、私は呆れ顔を向けた。


「ポイントはそこじゃないんだけど。」


やっぱり紺野君も男の子なのね。


「いや!俺は心が一番可愛いと思ってんで!」


「な、……?!」


何を言うかな、イキナリ…


おかげで私の顔は真っ赤。


これは日焼けのせいにしておこう。



「と、とにかく!
その子、ミサキちゃんの事好きみたい。全く…何であんな男がモテるのよ」


「ふーん」


「大体、親戚なのに…結婚とかまで言い出して…」


「イトコは結婚出来るで」


紺野君がさらっと言う。


「え…」


「法律的に結婚してもいいってなってるし…問題無いんちゃう?」


そうなんだ。


だったら、応援してあげるべき?


だよね。


私はこの間の1日で、千草ちゃんの事大好きになったから。


いくら相手の趣味が悪くても、応援してあげるべきなんだ。


「それより、」


紺野君が声を潜める。


ここは体育館。


間もなく終業式が始まろとしていた。



「海に行くんやって?」


「え、」


「ええなー!俺も行きたいわ」


何かと思ったら…


「誰から聞いたの?」


「谷町さん」


アユミか…


「俺らバスケ部のメンツで、海行かへん?って誘われてんけど…
部活がどうなるかわからんからさ」


残念そうにうなだれる紺野君。


良かったー


紺野君達の前で水着になんてなれないし。


それにしても、アユミ、


勝手に男子誘うなんて…