「ところで、」


千草ちゃんの視線がこちらに向いた。


「ココロはミサキとどうゆう関係なの?」


「ぶっ、………!?」


いきなり呼び捨てられた事はどうでもいい。


そんな事より、どうゆう関係って…


「心ちゃんは、私たちの家族なのよ」


そうよ!
それ以外に何があるのよ。

言葉につまった私の代わりに、おばさんが答える。


「…家族?」


千草ちゃんが“よくわかんない”というような、怪訝な顔をする。


「ホストファミリーってゆう事?」


私はどこの留学生だ。


「いや、そうじゃなくて…色々あってね、数年間この家で一緒に暮らしてたんだ。」


おじさんが補足説明をする。


「ふぅん…」


いまいち腑に落ちない様子だが、気持ちを切り替えたのか急にニコッと笑った。


「とにかく、彼女じゃないのよね?」


「…違います」



今までこの質問に、何十回答えてきたんだろう。


「良かったぁ〜!
ライバルじゃなくて!
だってあたし、ココロの事気に入ったんだもん!」


こんな可愛い人に気に入ったなんて言われて、嬉しかったけど少しひっかかる。


ライバル…?



…何の?