「……あれ、石原さん。どうしたの?」



横から声を掛けられて、慌てて身体を向ける。


思わず、弁当の入った袋を自分の後ろに回した。



「あ、特に用事はなかったんだけど……」



「俺も石原さんに会いにいこうと思って


石原さんの教室行ってたんだ。


入れ違いだったんだね」



と言いながら、何かに気づいたようだ。


七瀬君が私の後ろを見ようとして、


一歩詰め寄る。


そして、そのまま私の肩の上から背中を覗き込んできた。


「うぇっ?!


あ、いや七瀬君、ちょと、」