「……俺も貰っていいの?」



「うん、美里さんが七瀬君の分もって」



10分休みの間、


私は七瀬君の教室まで行って弁当を渡していた。


いつも学食なら、


先にお弁当を渡した方がいいかなと思ったからだ。



「じゃあ、遠慮なく貰うね。ありがと」



「うん、じゃあ私はもう戻るね」



やっぱり離れたクラスに入ると感じる


独特な居心地の悪さもあって、


用を済ませた私はそそくさと


自分の教室に帰ってしまった。