彼氏って、この前話してたのバレたのかな。


時間は間に合いそうだ。


時計を確認して、弁当を作り始める。


ご飯を2合炊いて、


先に販売用の分の野菜も切り終えると、


そこから私と七瀬君の分だけ、


油を敷いたフライパンに入れる。


あ、これも弁当に入れちゃおう。


冷蔵庫を物色して、


美里さん特製の漬け物をちょっと貰う。


プラスチックの使い捨て容器にご飯を詰め、


おかずを入れて、



「うーん、温かいけど大丈夫だよね」



まだアツアツのご飯が心配だけど、


蓋をして輪ゴムでとめた。


学校始まるまで、あまり時間がない。


手を洗って、エプロンを脱いで、


バタバタしていると、美里さんも店に着いた。



「あれ、佳奈ちゃんまだいたの。


学校大丈夫?」



「大丈夫、もう行きます!


洗い物してないんだけど……」



「あー、良い良い!やっとくよ。


弁当ちゃんと渡すんだよ!」



はーい、と返事をして


カバンと弁当が入った袋をひっつかむと、



「行ってきまーす!」



と言ってお店を出た。