こんな距離で先輩を見ているだなんて、やっぱりこの光景は幻だ。 「……….…せん、ぱい……っ」 蚊が飛ぶような声で先輩を呼ぶ。 幻なら、振りかえってくれるのかなって、 ちょっとした願望。 でも、やっぱり先輩はこっちを向くことなんてなくて。 幻でさえ こっちを向いてくれないなんて どれだけ距離が遠いんだろう…….……