きっともう、誰もいない廊下。

シーンとする空気。

私と先輩、二人しかいない空間。

そんな中でゆっくりと、
また私に触れる冷たい先輩の指先。

吸い込まれてしまいそうなくらい
綺麗な先輩の瞳から目が離せなくなって、

息をするのすら忘れてしまいそう。


『….……….……….……ねぇ。』


こんな近くで、

耳元で聞こえる

先輩の爽やかだけど、飲み込まれてしまいそうな甘やかな声音。